カリキュラム再考・改革の前に。
'数学教育の会'参加各位への問いかけ 中高4 - 4 制 ・ 新学校構想 根岸 秀孝
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ページトップへ | これまで、当 "数学教育の会"、また他の研究グループによるカリキュラム改革が提起されてきたが、ここで一つ確かめておきたいことがある。 それは、現行の学校システムを是認するかたちのカリキュラム論争、構想では根本的な解決にはならないのではないかという視点である。 多くの数学者・教育者が指摘しているが、小学算数の数理は、数学的に大変重要で、また、その後の数学学習にとって基盤となり、しっかりとした理解が求められる数理が多い。そして、その継続理解を中学校にいかに引き継ぐかとの議論もある。ところが、小学算数は多くの場合、数学を専門に履修していない教師が教えることになる。大いに悩ましい問題であろう。 本論の発想には、幾つかのキッカケがある。上記の、小・中・高をとおしたこれまでのカリキュラム再考が一つ。また、この20年+ にみられる小学高学年生徒の精神的、肉体的な発達、また学ぶ力の差異の広がりは、これまでの6-3-3制への見直しの必要性を導く。現行6-3-3の中で行われている試み、3−3制の中高一貫がある。はたしてこれが最適なのだろうか。一部の大学では入試2次試験で新しいかたちの出題が試みられている。どのような数学力を大学側が求めているのだろうか。こうした幾つかの要素がこの新構想のキッカケとなっている。 まずは、全教科に対して改革の基盤となるであろう 4‐4制中高一貫新学校構想を提案し、この構想のもとに、中4・高4の継続的カリキュラムを開発するとしたらどういう発想と、改善が起きるであろうか。これが本稿からの、"数学教育の会"の皆様への問いかけである。 以上
<資料1> 「新校構想」の概略 新校構想のバックグラウンド:
大学受験に重きをおく教育で、私立高校の優位性が顕著な中、一部の公立校では受験成果を狙った努力がが進めらている。教師の受験予備校での見学、予備校講師による特別講習と、本末転倒のような対策も存在する。一方、所謂 底辺校では、学習逃避が相変わらずの問題として教師、学校を悩ませている。 社会の変化、両親の生活態度と価値観の変化、教師に対する敬意の失墜、教員の使命感の変化、はき違いの"自由"主張、等々、問題の原因,遠因が交錯する中、生徒たちの勉強離れ、学校離れ、学力低下の進捗が止まらない。 これからの国際社会に生きる世代は、否応なく、各分野で諸外国のトップレベルの人材と交流、協業、競合することになる。隣国の韓国中等教育ではそうしたトップレベルの人材養成が進んでいる。 最近始まった私立校の挑戦、4-4-4制にはある意味大事な改革の可能性が含まれる。特に意義のあるのは小学5年生の年令で、中学生と共に過ごす学校生活に入るという点である。ここ20年、小学児童の精神的、肉体的発達は過去何十年とは比較にならないほどの変化が認められる。特に女子児童の発達は顕著といわれる。この変化とともに、学力(学ぶ力と知識の豊かさにも大変な差異が認められる。小学校5、6年生のクラス担任経験者にはこの大差ある生徒たちのミックスは周知のことであろう。 中高 4 - 4 制 構想の概略: これまでの中高一貫教育の狙い、効果を認めた上で、さらなる改革を狙っている。 この構想は、その実現化のスピードを考えると私立校が対象となろうが、公立校においても可能性はある (学校予算、教師の人事考査、給与体系が課題となろうが)。 本構想の特異点で重要なのは、その入学年次と入学制度にある。 教科運営と教員数: 教科の種類は従来の構成と差異はないが、総合学習、情報科は設けない(理由は下記参照)。
教科グループ毎に教科系部長、及び、各教科毎の教科主任を設ける。 総合学習教科を設置しない理由:
さらに、コンピュータ、インターネット、マルティメディアの活用は、各教科ともに必須の 課題であり、各教科主任のもと、教員全員の責務といえる。 教員数:
学校運営と組織:
全校生徒(120x8=960)+教員に対し3名のIT専門家、7名のICT教育免許所持者のテクニカルスタッフの陣容とする。これらICT要員で、学校運営、教科運営をカバーする。ただし、教員は各自の教材作成に関して、彼らの助言は得られるが、実際の作成は教員自身による。教員に課せられる学校運営業務の負担を最低限にし、教科教育に専念できる体制をとるため、教務オフィスの人員を確保する。 組織の概要:
各教師は、教科主任、教科系部長との関係において、上司、部下という、一般組織に見られる関係ではなく、一人一人は教師のプロフェショナルとする。そのうえで、リーダーである主任、部長のチームメンバーとしての責務は存在する。 教員の人事考査は、その評価者として、生徒、同僚、主任、校長により行われる。 教務局の部署;
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